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液晶テレビや太陽光パネルなどで国内のトップ企業として
先駆けてきたシャープ(SHARP)
しかし、ここ最近は早急な経営再建を余儀なくされて
いる状態となっている。
現在のシャープの前身は1912年9月に東京の下町の民家を借り
金属加工業として早川徳次氏が興したのが始まり。
早川氏が特許を取得した「徳尾錠」を軸に「水道自在器」
「洋傘用石突き」「錆びない不思議なコテ」など斬新な商品を
当時から開発していたんですね。
このことは知っている人も多いでしょうが、
現在の社名の一部にもなっている「シャープ・ペンシル」を
開発し日米で特許を取得したのも早川徳次氏です。
いまでは「シャープ・ペンシル」は当たり前に使っていますが、
開発当時、国内では受け入れられなかったようです。
しかし海外では大きな反響を呼び外国で売れている「ハイカラ鉛筆」
という評判が広まり販売業者が急増。
飛ぶ鳥を落とす勢いだった早川氏が30歳のときに
関東大震災(1923年)で妻と子供2人、工場全てを失う。
残ったのは･･･お察しのとおり借金だけとなる。
失意のどん底から再起をかけ大阪に移り、持っていた特許を売り
1924年9月に現在の本社がある場所で創業する。
「シャープ・ペンシル」に代わる商品の開発をしなくてはならない
と考えた早川氏が次に取り組んだのが「ラジオ」
アメリカでは1920年に世界初のラジオ放送が始まっていた。
その放送が1925年から日本でも始まるという話題でもちきりに
なっていた時期でもあったのです。
日本初のラジオを商品化したいとアメリカから取寄せたラジオを
分解し原理を調べ瞬く間に「国産鉱石ラジオ第1号」となる
「シャープダイン」を商品化した。
1925年7月からは国内でも現在のNHKが本放送を開始し、
流れ作業を導入し量産化された「シャープダイン」は飛ぶように売れた。
気を良くした？早川氏は次の「第1号」を「絵の出るラジオ」に照準を
合わせるのです。
1953年2月からNHKがテレビ放送を開始するのに先駆け
同年１月に14インチ型「日本初のテレビ」の発売に至っています。
ちょっと長くなってしまいましたが創業当初の様子を
お話しさせていただきました＾＾；
シャープを創業した早川氏から継承して現在は７代目？社長が
指揮を執っている訳ですが苦境を迎えていますね･･･。
あのころの時代だからできたんだよ！
と、言ってしまえばその通りだと思うんですが、
創業者の開発者としてのフロンティア・スピリッツを受け継ぎ
様々な斬新な製品を世に送りだしてきたシャープ。
なぜ、ここまで厳しい状況になってしまったのか？
これはあくまでも私的な考察ですので正確な内容ではないですが、
一番の原因として考えられるのは「液晶事業」の失敗？でしょうか？
あの「亀山ブランド」で一世を風靡した液晶のハイテク・高生産システムは
世界的にも有名になりましたね。
しかし「自社でさばける量以上の生産能力」を持ってしまったため逆に
企業全体の力を弱めてしまったのではないでしょうか？
このことだけが要因ではないのでしょうが、技術の流出や海外メーカーの
価格・品質の速い戦略に対しての対応も後手に回ってしまったように感じます。
経営再建を余儀なくされている現状で数日前に打ち出した「資本金減額」の
方針は、現在の資本金1218億円を１億円or５億円に減資するというもの。
確かに大きく膨らんでいる累積損失を減資によって一掃できれば、
業績回復に伴って配当に回す利益を増やすことは可能になるでしょう。
この方針に大手銀行２行も約2000億円の資本支援を行うことを了承している
とのこと。
でも単純に、大企業として事業を行っていた会社が減資することによって
中小企業という位置付けになるのはどんなもんなんでしょうね･･･？
と、思っていたところに国の方からも「ちょっと待ったー」的なコメントが
出てきましたね。
当然、大企業のこのような動きに対して国が黙っていないだろうとは
感じていましたが、国側の動き次第では今回の「減資構想」は白紙に
戻る可能性もありそうです。
ただ、国が介入して現状を回復するだけの手立てができるのか？
という疑問がないわけではないですが･･･。
今後「シャープ」がどのような方向に進むのか少し注目してみたいと
思います。
私的には応援したい気持ちはあるんですけどね･･･（－－；
